再び超えて

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伊織は少し考え込むと、頷いて俺に言ってきた。 「もしよかったらさ、僕が調べておこうか?」 「伊織が?」 俺は驚いて腰を浮かせた。 「うん。知哉が数ヶ月はあっちにいるんだったら、僕はその間こっちで何か調べられるかもしれないから」 「う~ん」 俺は腕を組んで、体をゆっくりと横に振りながら考える。 純粋に伊織の気持ちは嬉しい。 でも、大学にも行っている伊織にそんなことを頼むのは、正直気が引ける。 すると、俺の考えを読み取ったのか、伊織は笑いながら俺の肩を叩いた。 「遠慮はなしだよ。僕達の仲じゃない。それに知哉の力になりたいんだ」 「……わかった。頼むよ」 俺は伊織の気持ちが嬉しくて、素直に伊織の申し出を受けることにした。
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