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夜が更け、深夜を回ったあたりで、俺達は家を出た。
空間転移を使う場所は来た時に使った公園ではなく、家の近くの山の上にある広場。
魔法式を書かないといけないため、ここを使うことにしたのだ。
来るときにここを使わなかったのは、あまりに何もないため、目印にしにくかったからだ。
というわけで、白墨を使って魔法式を書いていく。
慣れた手つきで書き進める俺を見て、肩ごしに橙乃が覗き込んできた。
「ねぇねぇ、ここにある文字一つ消しても駄目なの?」
「ああ。ふざけてでも止めてくれよ。二度と戻ってこれなくなる」
橙乃はその一言に驚いて魔法式から跳び退いた。
そう言って橙乃を脅かしたものの、実際は文字がかけたら魔法がきちんと発動しないだけだ。
イメージや魔法の行程を適当にやると、どっか変なところに飛びかねないけど。
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