再び超えて

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「よしっ」 しばらくして書き終え、俺は立ち上がった。 荷物を運び入れて、忘れ物がないか確かめる。 そうそう帰っては来られないので、しっかりと確認しておく。 準備を終えた俺は、俺の家族と伊織に向き直った。 「今度はきっちり言えるな」 俺の言葉に、皆が首を傾げる。 「行ってきます」 あの日は言えなかった言葉。 今度はしっかり言えた。 「ああ」 父さんは短く頷いた。 「いってらっしゃい」 母さんは笑顔で送り出してくれた。 続いて橙乃が手を振りながら言う。 「今度はあっちのお土産よろしくね」 「ああ、色々買ってくる」 今回はなるべく荷物を少なくしたかったから持って来れなかったけど、次は大丈夫なはずだ。
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