国王

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私達に歩み寄ってきた火澄君は、ある程度距離を保ったところで立ち止まる。 「いやね。ちょっと面白い情報……というか気になる情報が入ってきたんで伝えておいた方がいいかなっと」 火澄君は涼しい笑みを浮かべたままそう言った。 「なによ。勿体振らずに言いなさいよ」 朱莉ちゃんが少しむすっとして言う。 火澄君は朱莉ちゃんの態度を気にした風でもなく、うんと頷いて顎に手を当てた。 「君達といつも一緒にいる女の子がいるじゃないか。鳴海先輩や白桜先輩の家に住んでる。えっと、なんて言ったかな……」 「佐奈のことか?」 「あ、そうそう。佐奈ちゃんだったね」 火澄君は思い出したように手をついている。
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