国王

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訓練所の係員に声をかけ、学外に出て街道を突っ切っていく。 火澄君の言うことが正しいならかなりまずい状況と言える。 魔脈超導者が受けてきた扱いはひどいものだ。 それは佐奈ちゃんが生まれた村で受けていた扱いからもよくわかる。 私からすれば、軍にもそんな人達がいるとは考えたくはないが、火澄はそうは思っていないようだった。 貴族である火澄君の意見であれば、間違ってはいないのだろう。 急がなくてはならない。 しかし、屋敷まではすぐに着いたのだが、門の前に何人かの軍人が待機していた。 黒い軍服に、全員武器を所持している。 なんとも物々しい警備だ。 「素直に通してくれる雰囲気ではないな」 確かに軍人達は、視線だけで周りの通行人を威嚇している。 近寄らせるつもりもないようだ。 「こうなったら強行手段ね」 朱莉ちゃんは走りながら屋敷の塀に近づくと、大きく跳び上がって塀を越えた。
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