国王

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「はは……さすが朱莉ちゃん……」 「仕方ない。俺達も行くぞ」 朱莉ちゃんに続き、理玖君も塀を跳び越え、私も跳び上がって屋敷の敷地内に侵入した。 私達は屋敷の裏側に回り、裏口から屋敷に入る。 屋敷の中を一気に駆け抜け、佐奈ちゃんを探す。 「いいからその子どもをこっちに渡せと言ってるんだ!!」 突然、知らない大人の声が屋敷に響いた。 「リビングの方だ」 理玖君はすぐに進路変更をして走る。 開きっぱなしのリビングの扉から中に入ると、数人の軍人がいて、その反対側に佐奈ちゃんを庇うように立ち塞がる悠斗さんと優衣さんがいた。 「なんだお前達は!!」 部屋に入ると同時に、軍人の一人がこちらに気付き、武器に手をかけた。 朱莉ちゃんはそれを見ると素早く動き、瞬時に相手の腕を固めた。 私と理玖君はその間に軍人達の横を通り過ぎて、悠斗さんと優衣さんの前に辿り着く。 朱莉ちゃんもすぐに抑えつけていた軍人を他の軍人に押し付け、離れてこちらに来た。
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