国王

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凄む相手に、朱莉ちゃんは全く動じずに胸を張った。 「ふん。人の家に上がりこんで喚き散らす軍人になんて払う敬意はないわ」 「まったく同意だ」 理玖君も大きく頷く。 「なんだと!!」 一人の軍人が大声を上げてこちらに走ってきた。 武器は使わずに掴みかかってくる。 朱莉ちゃんが数歩前に出た。 軍人は朱莉ちゃんに手を伸ばすが、朱莉ちゃんは軽やかに避けて手を捻りあげると、背中を押して指揮官の方へ押し返した。 体勢を崩した軍人は指揮官へと倒れこんでいく。 「軍人のくせに大したことない……」 朱莉ちゃんはつまらなさそうにぼそっと呟いていた。 こんな状況であるにも関わらず、まったくぶれないのは尊敬に値する。
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