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押し返された軍人は腕を押さえながらこちらを睨み付ける。
指揮官は自分に倒れてきた軍人を押し退けながら、一歩前に出た。
「お前達、こんなことをしてただで済むと思っているのか?」
こちらも悠斗さんが前に出て、肩をすくめて頭を掻いた。
「あなた達こそ、軍であろうとこんな横暴なことをして許されると思っているんですか?」
珍しく丁寧な言葉で話す悠斗さんだが、言葉には棘があり、明らかな怒りが込められているのが感じ取れる。
「そっちが化け物を匿うのがいけないんだろう?」
指揮官は私達の後ろいる佐奈ちゃんを指差して言う。
佐奈ちゃんは優衣さんにしがみ付き、怯えて肩を震わせていた。
悠斗さんはげんなりした表情でため息を吐いた。
「佐奈は化け物じゃない。訳の分からないことを言わないでもらいたい」
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