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「それだけのことが十分駄目なんだが……」
さすがの悠斗さんも相手が軍人なことがあるのか、やりづらそうに困っているようだ。
優衣さんも口を閉ざしたまま、どうしようか考えている風だ。
「とりあえずこちらはそっちの要望に応えるつもりはありません。足を運んだところ悪いですが、帰ってください」
悠斗さんはすっと目を細くして、軍人達を睨み付けた。
「つうか帰れ。魔眼を持っているかどうかとかそんなくだらない理由で何かするつもりなら、こっちも黙っておくつもりはない。お前ら下っ端の軍人如き、俺一人で片づけることだってできるんだ」
悠斗さんの殺気を孕んだ拒絶の言葉に、軍人達が凍りついた。
怯えきってしまった軍人達は、少し後ずさっている。
だが、指揮官だけは全く臆さずに腕を上げて前に踏み出した。
「それならこちらは強行手段に出させてもらうだけだ。多少の怪我は、公務執行妨害ということでお咎めもないだろう」
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