国王

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指揮官の手に青い魔力が宿った。 私は思わず体をびくつかせる。 指揮官は魔法使いだった。 それも結構高位な力だ。 他の軍人の実力を見る限り、悠斗さんの言う通りあまり強い人達には見えない。 だけど、指揮官だけは魔法使いとして十分な力を持っているようだ。 悠斗さんと優衣さんの目の色が変わった。 「覚悟しろ」 指揮官は腕を振り上げ、魔法を放とうとする。 だが、それより先に―― 「なんだよ……。人が気持ちよく寝てたのにうっせぇなぁ……」 眠そうな声と共に、指揮官の振り上げた腕を誰かが掴んだ。 「あっ……!!」 私はあまりの驚きに声を上げた。 「帰ってきて早々、ややこしいことになってるなぁ……はぁ~」 欠伸をしながら指揮官の腕を掴んでいるのは、知哉君だった。
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