国王

18/51
前へ
/2188ページ
次へ
「知哉君。これ」 後ろから菜乃がアリオンを差し出してきた。 「ああ。ありがとう」 だが受け取ったものの、復元しようかどうか迷う。 理玖は防衛のためにユピテルを出したようだが……。 というか、俺軍人に手を上げたけど、これって色々まずいんではなかろうか……。 「理玖、こっちからは手を出すな」 「相手は寄せ集めなようですが軍人ですからね。ある程度なら裏で手も回せますが、下手に攻撃するのは問題があります」 優衣さんがとても辛辣な言葉を放つ。 かなりご立腹な様子だ。 っていうか、裏で手を回すって一体……。 しかも俺攻撃しちゃったし。 俺は後ろを振り返りながら佐奈に笑いかけた。 「佐奈、大丈夫か?」 「う、うん……大丈夫……」 優衣さんにしがみ付いている佐奈は、そう答えながらも震えっぱなしだ。
/2188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27562人が本棚に入れています
本棚に追加