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俺が魔力を吸収した指揮官は、周りにいた軍人に支え起こされながら、立ち上がった。
「貴様ら……我々軍人にこんな真似をしてただで済むと思っているのか……?」
徐々に体が動き出したのか、おぼつかない足取りで立ちながらも、こちらを睨み付ける。
「我々はミネルヴァ国の王のために魔眼保持者を拘束しているのだ!!貴様ら魔法学院の生徒如きに邪魔をされる筋合いはない!!」
ぴしりと、空気が凍りついた気がした。
そして、体が震えあがるような殺気が後方から溢れてくる。
皆も体を震わせて、慌てて後ろを振り返った。
そこにいるのは、炎のように目をたぎらせる優衣さんの姿。
その手には、いつの間に復元されたクロトの指輪がはまっていた。
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