国王

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そこら中に張り巡らせているクロトの糸を器用に避けながら俺達の間を駆け抜け、その人は優衣さんに飛びついた。 「優衣ーー!!寂しかったぞーー!!久しぶりじゃないかーー!!」 男の人は優衣さんにしがみ付いて、気持ち悪い程嬉しそうな声を上げている。 え、ええええええ!!誰だこの人!! 俺達は口をポカンと開けたまま、優衣さんに抱き着いている男の人を見ていた。 その時、指揮官の口が、震えながら開いた。 「こ、国王様……」 こ、国王様ああああ!? え!?この人がミネルヴァの!?国王!? 確か、皇って名前だったけ……。 さらに意味が分からない。 しかし、俺達の驚きを全く関係なしに、国王様は身をよじらせながら優衣さんに抱き着いている。 「む~~本当に久しぶりだ~~」 正直国王様とは思えない行動なのだが、悠斗さんと優衣さんが何も言わないし、月島さんもいるから間違いないのだろうが……。
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