国王

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「魔眼保持者……いや、魔脈超導者がどういう理由で生まれるかがわかってから何年経ったと思っているんだ?理由が解明される以前なら仕方なかったという面もあるが、今もそんな馬鹿げた考えでこんな小さな子どもを拘束しようなんて、いくらなんでも見逃すわけにはいかない」 「で、ですが……」 何かを言おうとした指揮官を、厳しい声で国王様が遮る。 「言い訳は聞きたくない。それなりの処分は受けてもらう。 連れていけ」 「「はっ」」 一緒に転移で来ていた軍人二人が伴って、佐奈を捕まえるためにやってきた軍人達はどこかに連れて行かれた。 それを見届けた国王様は、こちらに戻ってきた。 国王様は佐奈の元に行くと、膝を着いて頭を下げた。 「私の部下の者が大変迷惑をかけてしまいました。君には本当に嫌な思いをさせてしまい、国王として謝罪させていただきます」 深々と頭を下げられ、佐奈は虚を突かれたようになったが、落ち着きを取り戻して首を振った。 「い、いえ、大丈夫です……」
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