国王

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「それならよかった。それと申し訳ないが、魔眼を見せてもらっていいかな?念のため、どのようなものか見ておきたいんだ」 「は、はい」 佐奈は少し戸惑いながらも、この人になら見せてもいいと思ったのか魔眼であるアナライズを出した。 「祐介」 「はい。わかってますよ」 国王様に呼ばれて、月島さんが佐奈の前まで行き、魔眼を覗き込んだ。 そうしている間に、菜乃が震えながら優衣さんに手を向けていた。 「ゆゆゆゆ優衣さん?国王様がお兄様って、どどどどどういうことですか?近所に住んでいたお兄さんとかそういう意味ですか?」 呂律の回ってない口で尋ねると、優衣さんではなく国王様が笑ってこちらを振り返った。 「いや違うよ。優衣は正真正銘血の繋がった、私の妹だよ」 マ、マジかよ……。 俺達、この国のお姫様に一体どれほど無礼なことをしてきたんだ……。
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