国王

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「そりゃあ驚くよな」 悠斗さんは頭を掻きながら苦笑していた。 「優衣が使っている名字は白桜。桜は"おう"とも読むだろ?それを王に直して白と繋げれば、皇。つまり白桜は優衣が使っている皇の偽名というわけだ」 た、確かに悠斗さんの言う通り皇になるけど……。 俺達がおろおろしていると、優衣さんは申し訳なさそうこちらを見た。 「すいません、黙っていて。こちらに来るときに、王族ということを知られたら学院生活が普通に送れないと思ったので、偽名を使うことにしたんです。皆さんに隠しておく必要はなかったのですが……」 「い、いえ、べべ別に大丈夫ですよ」 俺も動揺を抑えようとするがどうしても声が震えてしまう。 その時、国王様が俺達の前に立った。 普通に笑っているのだが、威圧感たっぷりの視線に俺達は少し竦んでしまった。 「君達が異世界から来たという亜界人だね。 初めまして。私はミネルヴァ国王の皇 勇雷(ユウライ)。君達のことは報告を受けているよ」
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