国王

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悠斗さんと国王様はギャーギャーと言い合いを続ける。 というか悠斗さん、王様にすっごい態度とるな……。 ある意味尊敬する。 てか、ホントに国王かこの人……。 俺達は騒ぐ二人から距離を取った。 「本当に戻ってきたばかりなのに賑やかだな」 苦笑いしか出てこない。 そうしていると、菜乃が俺の前に躍り出た。 「どうだった?久しぶりのあっちの世界は」 「……ま、予想通り色々大変なことにはなってたけど、どにかやることはやってきた。ツバサのこととかは全く分からなかったんだけど、とりあえず手紙は預かってきた。行こう」 俺は優衣さんに近づいて、挨拶をしながら一声かける。 「優衣さん。帰ってきて早々悪いのですが、ちょっと……」 「ええ、いいですよ。あとでゆっくり話を聞かせてください」 騒ぐ悠斗さんと国王様は優衣さんに任せて、俺達は俺が荷物を置いている部屋に向かう。 部屋を出るときに近くにいた佐奈の頭を撫でて笑いかける。 「お土産買ってきてるからな。元気出せ」 佐奈はもう完全に落ち着きを取り戻したようで、微笑みながら頷いた。 「うん。楽しみにしてる!!」
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