国王

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「ほほお~。これが相手の魔力を吸収するという魔脈超導ですか。長い歴史の中で忌むべき存在として様々なものが観測されてきましたがこんなタイプは初めてですね。これは調べがいがある!!」 月島さんはとても楽しそうに俺の手の魔法式を調べ始めた。 紙とペンを取り出して、俺の手にペタペタと触りながら魔法式を書き写していく。 俺は背中に嫌な汗をかきながら手を調べられる感覚に震えていた。 「そ、それにしても……」 一息つきながら優衣さんに目を向けた。 「帰ってきたばかりですが、いきなり驚くことが多いですね。優衣さんと悠斗さんが婚約してて、優衣さんがミネルヴァのお姫様だったなんて」 二人は一緒に暮らしてはいるが、付き合っているという風ではなかったし、ほとんど家族のように見えていたから、婚約者なんて考えは全然浮かばなかった。 まして、ミネルヴァ国のお姫様なんて予想の斜め上どころではない。
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