国王

40/51
前へ
/2188ページ
次へ
「あの、月島さんは腐界の人間の知識はありますか?」 悠斗さんや優衣さんもほとんど知らないと言っていたし、俺が目を通した遺跡の資料にもほどんど記述がなかった。 元々魔界の人間も、亜界や腐界の存在は知らないので、あるとしたら遺跡くらいにしか情報はないのだが、結局見つけられていない。 月島さんは俺の向かいの椅子に腰を下ろしながら顎に手を当てた。 「私もそれほど知っているわけではありませんが……オリンポスでは一応神初さんの次に知っているでしょうか。とはいっても、その知識も神初さんから聞いたものではありますけどね。よかったらお話ししましょうか?」 「お願いします」 「わかりました」 月島さんは頷いて話し始める。 「腐界に住む人は我々や君達、魔界人や亜界人とは根本的に人種が違うと聞いています。彼らは、【エヴォル】と言われています」 エヴォル……進化してるってことか。 俺の内心を読み取ったように、月島さんが続ける。 「腐界人、いえ、エヴォルは私達より様々なところで優れています。それは腐界の影響と言われています。それで優れている点ですが……」
/2188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27562人が本棚に入れています
本棚に追加