国王

42/51
前へ
/2188ページ
次へ
「大体わかることはこんなものですけど」 「もう十分です。わかりました。ありがとうございます。あ、でももう一つ」 俺は気になることを思い出した。 「月島さんは、神魔法って何か知っていますか?」 「神魔法……ですか?」 月島さんは復唱しながら眉をひそめた。 「私達を襲ったエヴォルが私達を見て、神魔法の片鱗と言っていたのです。誰のことを言ったのかわからないんですけど。それから、遺跡のデータにもありました。その内容まではコピーできなかったのできなかったので、結局わからなくて」 優衣さんが補足すると、月島さんは、ああと頷いた。 「一部文字だけ記憶できていたものですね。でも、私も全く聞いたことがありません」 「そうですか……」 俺は少し肩を落としながら椅子にもたれた。 やはり神魔法のことはわからない。 神初さんなら知っていたかもしれないが、月島さん達にも話していなかったと考えると、知らなかったのか教えるわけにはいかなかったのか。 どちらかだが確認することはできないな。 神初さんがひょっこり出てきてくれればいいが、そんなことはあり得ないだろう。
/2188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27562人が本棚に入れています
本棚に追加