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私は家に戻り、ネコを抱きかかえながら、マフラーを確認した。確かに私の名前が入っていた。でもなぜ?
マフラーを触っているうちに、私はなんだか懐かしい気持ちになり、そのまま眠ってしまった。その日の夢には彼女と私が出てきた。気がつくと汗にまみれていた。
もうつながらないメールアドレスに、何度もメールを送る。急がなければならない気がしてたまらなかった。部屋の隅から隅を歩き回った。
何かが、私の中のクリスマスより大切な何かが、今まさに、壊れようとしているのだ。私はそれを止めなければならない。私はそれを……。
その後、携帯電話をどこかへ投げて泣きながら眠った私は、彼女の妹からの電話に気がつかなかった。たどり着いたときには遅く、何人かが、顔を伏せながら嗚咽していた。彼女の妹は私には何も言わず、ただじっと汚い色をした床を見ているだけだった。
クリスマスの鈴が、乾ききった空に鳴る。
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