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「とりあえず、暇があったら卵に触れててね?」
そうすれば、水玉模様の卵の中にいる赤ちゃんへ愛情を注げるシステムになってるらしい。
学校で、何度も何度も真央に言われていたので。
家に帰ってからも手が空いたら、スマートフォンの液晶部分を人差し指で撫でていた。
「優心。アンタ、食事中くらいケータイいじるの止めなさい」
「ケータイじゃなくて、スマホだし」
「屁理屈は言わないの!」
そして、怒られる俺。
午後6時、母さんと妹の3人で夕食中。
「優心!」
「わかったよ」
ムカついたが、母さんに逆ってもケンカになるだけなので、スマホの裏面を上にして、テーブルの脇に置いた。
それが、マズかった。
向かいに座っていた妹の未乃梨が軽く腰を上げて、俺のスマホを手に取った。
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