9111人が本棚に入れています
本棚に追加
ちょうど、レジを済ませてお店を出ようとするところだった。
「優クン?」
「いや……。アレ」
俺はアゴをくいっと前後に動かして、真央にそっちを見るよう促す。
こっちに顔を向けている前本さんは微笑みを浮かべ、その場で軽く会釈した。
私服姿だけど、俺が誰か気付いてくれたのかな?
彼女は微笑を崩すことなく、コンビニの外へと出ていった。
やっぱ綺麗だな。
夜の闇に消えていく前本さんの後ろ姿を見ながら思っていると、
「今のって、前本さん?」
真央がその名を口にした。
「知ってるの?」
前本さんは俺たちと違う中学だし、高1の時は真央は別のクラスだったから接点なさそうなのに。
最初のコメントを投稿しよう!