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真央と子作りをして、ちょうど1週間。
学校帰りの公園で、俺は出産に立ち会っ――もとい、卵から我が子が産まれるのを待っていた。
「もーそろそろだと思うんだけどなァ」
俺と真央は公園のベンチに並んで座り、スマートフォンの液晶画面に映る卵を見ていた。
日に日に大きくなっていった水玉の卵は、ところどころにヒビが入り、時々ぐらぐらと動いている。
「優クンの卵はどう? もう顔出したー?」
「いや、まだ。てかさ、同じ卵なんだから、産まれる時は同時だろ?」
「そうだけど~」
ひとつの卵を2人で育てているんだし。
画面は違えど、そこにあるのは同じ卵だ。
だから、産まれる時は……。
「あ!」
「産まれそう」
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