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ピシッ、ピシッという描き文字と共に効果音が鳴って、卵の内側から漏れ出た光によって画面が真っ白になる。
そして、
「わッ!」
「おお」
俺たちの赤ちゃんが誕生した。
“オギャッ、オギャアー!”
文字通り産まれたの姿をした赤ん坊は液晶画面の内側で、盛大に泣き出した。
「真央! これ、どうすりゃいいんだ?」
「優クン、慌てないで。画面を優しく撫でてあげて?」
真央に言われたとおり、俺は画面に映る赤ちゃんのお腹辺りを何度か撫でてみた。
“オギャア、オギャア、オッ……”
すると、段々落ち着いてきたのか、赤ちゃんは泣き止んで静かになる。
「赤ちゃんはね、指先であやしてあげるといいんだって」
「へェ」
真央の友達も赤ちゃんメーカーをやっていて、その子から聞いたらしい。
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