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「え?」
俺と真央は互いの顔を見合わせて、もう一度、ベンチの後ろ側にいる前本さんを見た。
笑顔の彼女は右手にスマホを持ち、表面をこちらに向けていて。
「! それは、俺の……」
前本さんの持つスマホには、俺のスマホ画面に表示された赤ちゃんそっくりの子が映し出されていた。
「うん。この子は、私たちの赤ちゃんだよ♪」
私たち?
って、どういう……え?
「鼻は優クン似だね。目元は、私に似てるかな? ほら、ホクロの位置も……」
「ハ? いきなり現れて、何言ってるの?」
真央は立ち上がり、ベンチを挟んで前本さんと向かい合いながら言う。
「この子は私と優クンの赤ちゃんだし!」
それを聞いた前本さんはくすくすと笑い、左手に持つピンク色のハンドバッグから、
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