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もう1つ、スマートフォンを取り出した。
その液晶画面には、真央のスマホと同じ褐色肌の赤ちゃんが。
「お前の旦那は、ネットで私が拾った黒人の誰かさんよ」
前本さんは吐き捨てるように言い、左手で握るスマホを地面に投げつける。
「ゆっちぃは私のパパだから☆」
そして、俺に向かってにっこりと微笑みがら、落としたスマホを足で踏みつけた。
「ゆっちぃ。そんな女は放っておいて、行きましょ?」
前本さんは俺の腕を取って歩き出そうとしたが、何がなんだか訳がわからず、俺はその手を振り払う。
「どうしたの、ゆっちぃ?」
「どうしたのじゃないし! つか、なんで? 前本さんと俺が……」
「『前本さん』じゃなくて、『愛音』って呼んで?」
「ハ?」
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