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しばらく早足で歩き続けて、後ろを振り返る。
「いない、よな?」
「うん……」
辺りを見回すが、前本さんの姿はなさそうだ。
「ねェ、優クン」
「ん?」
真央は怯えているような、惑っているような目をして俺に訊く。
「前本さんは、優クンの何?」
「へッ?」
どういう意味だ?
真央が何を訊きたいのか、イマイチわからなかった。
「何って……、1年の時のクラスメイト?」
「それだけ?」
「……? ああ。それだけ、かな?」
「でも、向こうはそうじゃないみたいだったけど?」
うっすらと涙を浮かべながら、真央は言葉を続ける。
「ホントは優クン、前本さんと付き合ってるんでしょ!」
「……ハァ?」
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