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「どんな子が産まれるのかな? 楽しみだねッ!」
「ああ」
正直、それほど楽しみってワケでもないけど。
「私と優クン、どっち似かな?」
「どっちにも似てるだろ、そりゃ」
「うん! だと良いなァ☆」
真央が嬉しそうに笑ってるから、俺も自然と顔が綻んでいた。
「優クン、大好き」
「俺も好きだよ、真央のこと……って、だからここ教室だから」
「いーじゃん。別に」
今のやり取りを誰かに聞かれてないか辺りを見回したが、特に聞かれている様子は……。
「!」
その時、開いたドアの先にいた女の子と目が合った。
「優クン、どうしたの?」
「あ、いや……」
相手の子はすぐに前を向いて歩き出し、視界から消えていった。
あの子は確か、1年の時、同じクラスだった――前本さん?
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