第1話 いつもの1日

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第1話 いつもの1日

私の名前は平本佳奈。 どこにでもいる普通の中学3年生。 普通に朝起きて、学校に行って、夜になったら寝て、普通の生活を送っている。 でも、もし身体の中が全て自分のものであり続けたら、私はこの世に存在していない。 そう……この心臓は……私のじゃない。 ★ 朝。 ベッドの中から平本佳奈はゆっくりと目を開ける。 少し眠たい……まだ寝てたい……佳奈はそう思う。 でも、ちょっと時間も気になる。 丁度寝ている時、目覚まし時計は頭の上に位置する。 まだ鳴ってないから大丈夫だとは思うけど、念のため、頭の上に腕を伸ばし、時計を掴む。 そして顔の所まで持っていき、針を見つめた。 時刻……8時05分。 8時……05分……。 ……………………… 「やだあああああああっ!」 寝過ごしたっ! 佳奈は大急ぎで制服に着替え、2階にある自分の部屋から物凄い速さで駆け下りた。 そこにはお母さんが台所にいた。 「おはよう、やっと起きた?」 「お母さん!何で起こしてくれなかったの!」 「何度も起こしたわよ。でもあんた全然起きないから……。それに目覚ましはどうしたのよ」 「目覚まし?そういえば何で鳴らなかったんだろう」 佳奈は昨日の夜の出来事を思い出してみる。
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