「平等なだけの人外だよ」

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「起きなよ」 ううーん、お姉ちゃん。後5分・・・・・・ 「そんなベタな寝言をいう子にはこうするしかないね」 「うひゃっ!」 な、何?今何されたの私!? 「はっはっは。何て事はないさ。ちょっと輪ゴムをパチンとやっただけさ」 あぁ、そうなんだ・・・・・・じゃなくて! 「あなた誰なんですか!?それにここって学校ですよねっ!?」 私は目の前で輪ゴムを構えている全身タイツの人に問い掛ける。 ジュエルシード集めから帰って、ご飯食べて寝ちゃったはずなのに、何故かパジャマを着たまま教室の机に座ってる。 あのっ!?本当にワケが分からないんだけどっ!? 「そうだね。それじゃあ自己紹介をしよう」 そう言ってその人はタイツに手をかけるとそれを思いっきり脱いだ。 分かりやすく言うなら、アニメとかで変装してる人達が服をバサァって脱ぐ感じ。 「私の名前は安心院(あじむ)なじみ。よろしくね?」 「・・・・・・・・」 私は言葉がでなかった。具体的に言えば、目の前の男の人の格好について。 その人は銀色の髪を赤いリボンで結んでいて、黒いスーツを着ているんだけど・・・・・・ 「あの、質問をしていいですか?」 「構わないよ」 私は勇気を出して質問する。さっきからとても気になっていることについて。 「どうして安心院さんはネジがそんなに刺さっているんですかっ!?」 うん、そうなの。安心院さんの身体中、正確に言えば両肩と左右の太股の横から。更に右手の甲にネジが刺さっている。 「私のことは親しみを込めて安心院(あんしんいん)さんと呼びなさい。 そしてこのネジに関しては気にしなくていい。これは物理的に刺さっているのではないからね」 「じゃあ、どうしてそんな格好をしてるんですか?」 「それは君。演出たよ。安心院さんの名を語る以上、このネジは外せないからね。まあ、髪の色と服は勘弁してもらいたいけどね」
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