妄想天国  黒×紫←赤

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「38度かぁ・・・・」 「ヒ~ナ~・・・・頭痛い~、だるい~、のど痛い~」 「うっさいわっ!大人し~、寝とらんかいっ!」 「冷たっ!!」 おでこにパシッと貼られた冷えピタ 「ヒナぁ、もうちょっと優しく・・・・」 「俺、これから会議に出なあかんねん。戻ったら車で家まで送ったるから、大人しく寝とれよ?」 いくつかのファイルを抱えて、ヒナは急いで保健室を出て行った。 俺、横山裕くんは、さっき出て行ったヒナ・・・・あぁ、『ヒナ』は俺がつけたあだ名やねん 可愛いやろ? 本名は『村上信五』、俺の恋人やねん 高校の入学式に、校医のヒナに一目惚れして、足掛け2年・・・・俺の猛アタックの末、やっと両思いになれてん 俺は全然カミングアウトOKなんやけど、ヒナにはヒナの事情(まぁ、大人の事情ってやつや)があるらしく、俺らのことはごく一部の人間しか知らない、秘密の恋っちゅうやつで・・・・・ 「なに、ニヤニヤしてんねん・・・・気持ち悪い奴やな」
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