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完成したマフラーは、近くの小物入れの中にしまっておいた。大切に大切に。いつでも渡せるように。いつ死んでもいいように。
窓の下の恋人たちは、日ごとに増えていく一方だった。うらめしくはなかったが、寂しくは感じる。クリスマスはもうすぐそこまで迫ってきている。
最近は妹がよく病室に来る。それは私の状態を見越してのことだろう。死ぬのは怖いし、できるならば自分の手で渡したかったが、それが運命ならば、仕方ないのだろう。
私はマフラーを妹に手渡し、場所を伝えた。それはつまり私と彼が別れた場所だ。妹は困っている様子だったが、頼み込むと了解してくれた。妹が出て行ったあとで、私は泣いた。激しくうなりながら涙をこぼした。
ごめんなさい、私はもう、辛抱ならないのです。
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