2.音楽室にて・・

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「そ・・そうね・・」 苦笑いしてる先生に・・ 「あ、ヒロシくんのお父さんなんかどうですか~?」 そうだ・・僕の父も母を亡くしている・・でも、父は未だ母の事を忘れられない様子だった。再婚話も何度か断ってきたのだ。 こちらをチラッと向いて・・ 「え・・ええ・・誘ってみようかな~デートもいいかもね~」 顔を引きつらせながら作り笑いの先生。 動揺を隠し切れないようだ・・雲行きが怪しいぞ! 泥沼化しないうちに、退散するか?? 「じゃあ、僕・・これで失礼します・・」 「逃げるな!」 二人の声が一致した・・ああ、蛇ににらまれたカエルの僕・・遊ばれるんだろうな・・ 二人が見つめ合う・・同じセリフを言った事に思わず笑い出す。 再び、和気藹々とした感じになっている。 「先生。顧問になってもらえるんですか?」 「うん。邪魔にならない程度に協力するわ!」 「それは、頼もしい!」 二人の会話が弾む。この隙に、ズラかろう・・ 「それじゃあ・・」 「あ、ヒロシ君」 先生に呼び止められた。 「何でしょうか?」 「彼女を守ってあげてね」 「あ、、、」 少し、戸惑ったのだけれど・・ 「はい。」 その言葉と共に、音楽室を後にした。 何だか、僕に期待しているらしいけれど、それに応えられるだけの力があるのだろうか・・授業中の夢に見た光景のように、僕には霊感も技も何も持ち合わせていないのだ。
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