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「そ・・そうね・・」
苦笑いしてる先生に・・
「あ、ヒロシくんのお父さんなんかどうですか~?」
そうだ・・僕の父も母を亡くしている・・でも、父は未だ母の事を忘れられない様子だった。再婚話も何度か断ってきたのだ。
こちらをチラッと向いて・・
「え・・ええ・・誘ってみようかな~デートもいいかもね~」
顔を引きつらせながら作り笑いの先生。
動揺を隠し切れないようだ・・雲行きが怪しいぞ!
泥沼化しないうちに、退散するか??
「じゃあ、僕・・これで失礼します・・」
「逃げるな!」
二人の声が一致した・・ああ、蛇ににらまれたカエルの僕・・遊ばれるんだろうな・・
二人が見つめ合う・・同じセリフを言った事に思わず笑い出す。
再び、和気藹々とした感じになっている。
「先生。顧問になってもらえるんですか?」
「うん。邪魔にならない程度に協力するわ!」
「それは、頼もしい!」
二人の会話が弾む。この隙に、ズラかろう・・
「それじゃあ・・」
「あ、ヒロシ君」
先生に呼び止められた。
「何でしょうか?」
「彼女を守ってあげてね」
「あ、、、」
少し、戸惑ったのだけれど・・
「はい。」
その言葉と共に、音楽室を後にした。
何だか、僕に期待しているらしいけれど、それに応えられるだけの力があるのだろうか・・授業中の夢に見た光景のように、僕には霊感も技も何も持ち合わせていないのだ。
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