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宿直室に残されている僕と彼女。
「ああ・・・
退治できたんだね・・」
「ウン・・何とかね・・」
彼女は一瞬、嬉しそうな顔をしたが、少し物思いにふけっている表情になった・・
力が半減した事を悩んでいるのだろうか?
「翔子ちゃんも、
だいぶ修行してるみたいじゃない!!」
僕が翔子ちゃんの話題に触れると、
「そうね!
私も負けてられない!!」
そう言うとスッと立ち上がり、食卓の方へ勇んで歩いていく彼女・・
何かまずい事言ったのかな??
何が負けられないのだろう??
僕も、体の調子が良くなったのを確かめてから食卓の方へと向かう。
「ヒロシくん、こっちだよ。」
みんなが机に向かって座っていた。
その姿を見て、またホッとした。
喜びを噛み締めて席に着く。
「いっただきまーす!」
「いや~・・
君たちの活躍で合宿所も再開できるよ!」
「悪霊を退治してくれたんですものね・・」
「スゴイね~・・
私・・ただ見てるしかできなかったよ!」
「でも、翔子ちゃんが来なかったら、
どうなってたか・・」
彼女がポツリと言う・・
「そうね・・
元気で何よりだったわ・・」
う~ん・・亡くなった人に「元気」とかはないんだけどね~・・
「校長先生!
これで、晴れて部活として認めてもらえますよね!」
先生が、本題を切り出す。
この合宿所に来た本来の目的だ。
「そうですね〜
認めることとしましょうか!」
「ヤッター!!」
一同が喜ぶ。
でも・・
何かを忘れているような気がする・・・
「あのさ・・
あの悪霊が取り込んだ霊が開放されたってことは・・」
「あ~!!!!」
僕の指摘に、一同が思い出したように叫ぶ・・
そう・・開放された霊は元通りこの合宿所にいるのだ・・
思い悩んで自殺した生徒や、お風呂で水死した生徒の霊もだろうか?
彼女のお母さんが2、3の霊を除霊したというが、この合宿所に元々居た霊はどれくらい居たのかなんて計り知れない。
みんなが、目を合わせる・・
「どうする?」
「ど・・どうしよう?」
「校長先生・・
一番大変な事は解決したので、あとは・・」
先生が交渉するが・・
「はっはっは。
残りの霊もお願いしたいのですが〜
部活の認可はその後ということで〜」
「え~~~??!!」
上手く丸め込まれた僕たちだった・・
それから一週間・・
この合宿所に残って除霊をしまくった僕たち。
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