彼、甘くない

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「分からないことがあったら、また学校で教えるね」 今日は心を許せる友達が隣にいるからかもしれない。 いつになく緊張の見えない先輩は、俺が支払いを終えたのをしっかり見届けてから去って行った。 あぁ、結構な出費だったな。 休み明けの昼休み、教室内では桐谷が藤堂にベッタリ。 「ついに藤堂も明日誕生日じゃん、楽しみだねぇ」 「別に誕生日だからって何も思ってねーし」 「嘘つけ。二年の彼女とまだしてないんだろ?私がプレゼントって、明日させてもらえるとか思ってんだろぉ?」 「んなことねーよ!」 茶々を入れる桐谷に、藤堂は思いっきり怖い顔をする。 「あっ!もしかしてもう……」 「うっさいな、お前は少し黙っとれ」 普段仲の良い二人だが、こういう所、藤堂は秘密主義であり、桐谷には全てを明かさない。 「俺ら親友だろ、隠し事とはナシだろー」 「はいはい、気が向いたらね」
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