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「捨てちまったら、夢が叶わなくなりそうだろ? ヒーローになるって夢が。か……楓を……楓を護るって夢が」
「光太郎……」
「楓はもうとっくに忘れてると思ってたから、言えなかったんだけど……」
顔を真っ赤にして告げた光太郎に、胸の鼓動が早くなる。
「楓……俺、ずっと楓のことが――」
かっこ良く成長した、幼馴染からの告白。憧れの、典型的なシーン。
が――
「えーー、光兄ちゃん、今でもヒーローになるつもりでいるんだ?あんなのテレビの中だけだって事、小学生だって知ってるよ?」
忘れていた。お邪魔虫の存在。
「煩いぞ清四郎!」
拳を振り上げ、光太郎が弟を追いかけて走り出す。
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