第三話

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  「橋本さん…?」 カーテンから篠山くんが顔を出した。 篠山くんがあたしの目の前の椅子に座る。 「篠山くん、迷惑かけてごめんね。放送大丈夫?」 「大丈夫。後輩に任せたから。…それより、ケガは?」 「大丈夫だよ。少しヒリヒリするけど」 「そっか。橋本さんは終わるまで休んでて。後で迎えにくるから」 「え、待って…」 思わず立ち上がった篠山くんを呼び止めた 「何?ここにいて欲しいんならずっといるけど?」 篠山くんが振り返ってニヤリと口角を上げた。 「ち、違うし!」 あたしが慌てて否定すると、フッと鼻で笑い、静かに出ていった。  
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