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「弱いことを受け入れることも大切よ」
「…受け入れる?」
「そう。弱いなら、助けてもらえばいい。弱いから、助けてって言えばいい。自分が弱いって言えることは、つまり強いってことよ」
松永先生の、わかるようでわからない言葉をぼんやり聞きながら、あたしなんかに助けてもらえる価値なんてあるのか、なんて答えの出ない問いがグルグルと頭の中で回っていた。
授業を受ける気にもなれず、あたしは街へ出た。
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