第五話

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  いつの間にか日が暮れている。 真っ暗な空の下でカラフルなネオンから遠ざかるようにコンビニの前に座った。 たくさんの人が通るけど、足を止める人はいなかった。 当たり前だ。 みんなそれぞれに目的があって歩いてて、道もわからずぐるぐると悶えているあたしなんて、誰も拾ってくれないから。 「あんた、何高?」 「うわっ!ちょー美人」 タバコと酒の匂いを漂わせながら、制服の原型がわからないくらいに着崩した男子高校生の集団が、あたしを囲んでいた。  
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