白い華

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幼き日に彼が抱いた疑問だ。 これだ、これこそが命の形……華こそが命の形なんだ…… そして、彼は思いつく。 ――そうだ、まだ席が一つ余っているじゃないか…… 夕日が射す、不気味なほどに静かな教室…… そこには白が溢れていた。 儚げな白、やり残した事があるんだとでも言いたげな弱々しい輝き…… そして彼。 白の中心に浮く彼もまた……命の、死の形そのものなのだろう……
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