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教室にはもう先生が居た。
先生は傷だらけの俺を見ても何も言わなかった。
再び席に着き顔を机にくっ付けた…。
早く…帰りたい。
痛みなんか…どうでもいい。
母は俺を大切に育ててくれた。
でも…父は違った。
俺の不思議な力を見てから…女遊びに走った。
煙草なんか吸わなかったのに…吸い始めた。
とても優しかった父…暴力父に変わった。
俺は此処に居てはいけないんだ…そう思い…家を飛び出した事もあった。
母は俺を何度も何度も泣きながら謝るばかり…。
「供養…?どうしたの?傷だらけじゃない?!」
心配そうに近づいてくる佐鯔…。
俺はきっと…佐鯔が居ればいい。
「佐鯔…」
弱々しく名前を呼んだ。
「何かあったの?」
頭を撫でながら優しい声で…囁く。
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