□第2話 店の摘発

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  ーー 3日後 ーー 楓の自宅アパート レヴァンと名乗る男と出会った3日後の休日。 レヴァンに出会った翌日、あの店へしようとしたけれど店長に1週間後くらいに来いと言われ、追い返された。 まさかとは思いつつ過ごしていたけれど…そう、私は今、テレビを食い入るように見ていた。 それは母さんが入院している病院へお見舞いに行く支度を整えている時、つけっぱなしだったテレビのニュースから流れて来た。 「店が……」 私が出入りしていた店が警察によって摘発された。 店長も従業員も、関わっていた数名の暴力団も逮捕されて、取り調べを受けているのを報せるものだった。 しかも、見てる限りじゃあ、レヴァンが宣言した日付に摘発されたらしい。が当たっていた。 私の所へ捜査の手が及ぶかと一瞬頭をよぎったけど、摘発された直後、またはされる直前に警察は私の所へ来ているはず。 そう考えたら、とっても静かなものだ。 そこでレヴァンが言い残した言葉が過る。 (…まさか…本当にアイツが?) 一瞬色んなことが頭を過ぎっていきそうになる。それを阻止する為にテレビの電源を消した。 考えてはいけない。ダメ、絶対に。 母さんは勘が鋭い。私が表情や態度に出さないよう努めてもバレてしまう。…今は考えてはいけない、母さんに無用な心配をかけさせてしまうから。 ただ1つ…もし、私が警察に捕まったら母さんを…。 そんな不安から私は母さんのお見舞いが済んだら、すぐにあの店がある場所に行こうと決意して家を出た。  
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