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(マズった…!)
そう思い体勢を整えようとした瞬間、私は腕を掴まれて意図も簡単にレヴァンに拘束される。
「資料に書いてた通り…蹴りにキレがあるな」
腕には自信はある。
けど…こうもあっさりと避けられ、拘束されたとなると、このレヴァンとか言う奴も格闘技か何かを体得してるんだ。
その証拠に私の腕を掴むレヴァンの手を払おうにもビクともしない。
なんて力…締め上げられていないのに本当にびくともしない!なんなのコイツ…!
「まあまあ。 短気は損気って日本で言うだろう。 落ち着けって、な?」
「…ッ、信用出来ないっ! 離せっ!」
力一杯もがくけどやっぱりビクともしない。
もがく度に、レヴァンが逃がすまいと拘束する力を強め、私の体に鈍い痛みが走り、眉間にしわがよる。
しかもまだまだ余裕な様子。全力じゃないあたりが力の差を思い知らされるけれど、なんとか逃げないと!
「俺はお前を殺しに来たんじゃない。 ビジネスだ、ビジネス。 金がいるんだろう?」
ビジネスの言葉に、無意識の内に体から力が抜けた。
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