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…でも、待って。
本当にビジネスだとしたら逃す手はない、ここまで裏の世界に浸かってるんだもん。
でも信用出来るの?
この男と関わって私が無事でいられる保証は?
…………………。
今更ビビるなんて…私は何があってもお金を稼ぐって決めたんだ。
深い深呼吸をして自分を落ち着かせてから、あまりよく見えないレヴァンを見上げる。
「依頼、内容は?」
「よし、食い付いたな」
「…信用はしてないけどね」
「だろうな。 詳しい事は1週間後に話す。 学校が終わったらすぐにこの番号にかけて来い」
レヴァンはスーツの胸ポケットから紙切れを出して私に差し出して来た。
受け取って目を凝らすと、そこには電話番号らしき数字が書かれている。
番号が書かれた紙切れから視線をレヴァンに戻すと、もう歩き出してるレヴァンの背中がうつった。
掴みどころがないと言うか、なんて言うか…表現に困る男だな。
「ちょ、ちょっと!」
「あまり公に出来ねぇんだ、1週間後ゆっくり話そうぜー」
足を止める事なくレヴァンが数メートル先で立ち止まり、こちらを振り返る。
ちょうど街灯の光が照らす場所で振り返ったものだからレヴァンの顔がよく見えた。
黒髪で、髪型は若干無造作で眼が綺麗な赤色。
モデルのように背が高くスタイルも良くて、高そうなスーツを上手く着こなしている。
顔も整っていて素直に格好いいと思った。
まるで、私の目に映るその光景だけが特別に撮られた写真のように見えるんだもん。
ぶっちゃけると、その容姿は口調と相違して、軽い態度と言うか…振る舞い?そんなものが変に怖いんだけど。
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