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ウォッドアイランドとか言う場所に連れて行かれて殺されるのだろうか?
私の中にそんな不安が過り、車のエンジンをかけ車を発車させたアレウスに問いかけた。
「そこで暮らすんだよ」
「えっ!?」
「俺は確かに人を殺す、何の躊躇いもなくな。 相手が子供でも女でも男でも関係はない」
驚きのあまりにアレウスを見た。
運転中のアレウスは真っ直ぐ前を見据えるけど、目付きは真剣そのもの。
「だが一度だって"殺しが楽しい"だなんて思った事はねぇ。 勘違いするなよ…俺だって人間だ、人を慈しむ心くらい持ってる」
「でも…」
「殺した事には変わりないか?」
私の中に浮かんだ言葉を当てられ、胸の鼓動が一つ大きく打った。
「それを言われちゃ言い返せねぇ。 お前の事は高く買ってるんだ、そんな相手に敬意を払うのが俺の流儀……お前の前で俺が仕事の話をした事はあるか?」
「…………ない」
車は大きな道へと出て、やがて信号で停まる。
「大丈夫だ。 お前は俺に選ばれた女だろう? だから大丈夫」
俯いていると横から頭を撫でられ、そちらに視線を向けるとアレウスがそう言って私に優しく微笑みかけていた。
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