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「何もかも知ってるって言ったはずだ。 …だから話さなかったんだ」
「…話さなかった?」
「お前、嫌がるだろ。 怖がらせたくはねぇの」
今思い返せば、アレウスと契約結婚について会った時は『仕事で人を殺た』なんて聞いたことはない。
まさか…気を使って?
…いや、隠してるだけだったかも…?
「と、言うわけでお前にはウォッドアイランドに来て貰う事にした」
「…はっ!?」
毎回そうだけど唐突に話しが変わる。
…言っておくがアレウスはこれで普通なのだ。
「どういう訳でそうなったの!?」
「ん? 見て体験しろ。 俺が守って来た島と、島に住む連中に、俺の部下達をな。 …何もかも知ってから怖がれ、何もかも知ってから拒否しろ」
信号が青に変わりアレウスはまた前を見る。
再び車が発車した。
「俺を今まで支えてくれた良い奴らばかりだ。 …きっと仲良くなれるさ」
アレウスの能天気な言葉と仰天行動に私は既に言葉を失っていた。
時に優しく
時に強引に
時に豪快に
それがアレウスだ。
こんなアレウスだからいつの間にか恐怖や不安は消えていて…アレウスの言った事も一理あると…私はアレウスに着いていく事に決める。
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