11人が本棚に入れています
本棚に追加
いつから故郷は
固定された場所ではなく
感情をもつ人となって
存命しているのでした
静かにしていれば
精神を包んでくれたのか
それとも
そこまでやさしくできないか
そう大地から離れてしまった茎
雨雲のように混ぜて
たくさんたくさんの色を
まぜっ返して汚れた色に
なってしまうでしょう
あたしたちの中に雨は降り
塩分濃度をいくら薄めたところで
血液には変わりないのです
そしてみずたまりを蹴り
うつむくから
揺れる波音が空間を
歪ませていました
落雷を落とす
大きな空が届かないから求めて
草木は伸びるでしょう
愛して欲しいのです
雨と涙とは繋がり
海と大地とは水平線で繋がり
揺れる波紋が
空間を歪ませていても
窓際の花瓶に挿した花を想うと
現実
あの病室を思い出してしまう
最初のコメントを投稿しよう!