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その時、「あっ!!」俺はふと、12日前のことを思い出した。
父の仕事の関係で、15日前にこの原山町に引っ越して来た俺は、3日間、原山町の道を覚えるべく、原山町地図を見ながら歩いていたのだ。
最終日、とても強い風が吹く中、その日も道を覚えようと、家を出たのだ。
この町は面積も小さく、3日で完璧に覚えられた。
と思い、俺は、その地図をポイっと投げたのだ。
もうお分かりだろう。
①その日は強い風が吹いていた。
②俺は覚えた一枚の地図を捨てた。
③地図が風で舞い上がった。
④たまたま飛行中の天使が地図を手にとった。
………ということなのだ。
これから、おかしなことに巻き込まれそうになっているのは、もしかして自業自得なのか?
と思うと、俺は、恥ずかしくて恥ずかしくて、いてもたってもいられなくなった。
「そ、そうなのか………」
俺は今、それしか言えない状況に直面していた。
「それでね、あとの二本はアー君が刺した、えぇ、と確か佐藤付子(さとうつけこ)ちゃんと、シーちゃんが刺した、えぇと~、うーん、あれ?………あっ!!綿雨林檎(わたあめりんご)ちゃんだ!!しかもそれが偶然なんだけどね、皆同じ歳で、同じ高校なんだよ~」
またしてもメリヤースはキラキラとした様子だった。
笑顔の大バーゲン!!
………でもそんなことはどうでもいい。
それよりも、俺の他に選ばれたやつの名前………
何でそんなに甘ったるいんだ!?
聞いただけで吐き気が………
………ってこれこそどうでもいい話だった。
反省、反省。
「でも何で神々は俺達人間を滅ぼそうとしてるんだ?」
こう、俺が率直に聞くと、メリヤースはなぜか恐る恐る頭を下げた。
い、いきなりなんだよ~!?
訳が分からん!!
「ゴメンなさい。
悪気は無かったの。
許して~」
一遍変わったメリヤースの謝罪に俺は、全くついていけなかった。
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