第二話 これが天使様の特権!?

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「だからって、俺にあんな嘘っぱちの夢を見させていたのか!! 何で俺がわざわざお前のために同化なんかしなければならない!!」 無責任にも程があるぜ!! いくら天使と言えども、殴っても罰は当たらないよな? 「それについてはごめんなさい。 このとおり!! でも、これだけは聞いて!! 君がいないと人間は滅びてしまう。 今、この人間界を救えるのは君を含め、三人しかいないんだよ!!」 メリヤースは、自分が悪いことをした、ということを踏まえた上でこの事を告げた………かどうかは分からない………が………。 少なくとも、反省の色は見せているようには感じた。 「うんじゃ一体、俺はどうしたらいいんだ!!」 いかにも反省してますそぶりと、涙目になっていた顔のメリヤースを見てしまったためか、少しだけ口調が和らいだ。 くそっ!! あんなやつに優しさなんていらないのに………。 「うんじゃ、君は瞼(まぶた)を閉じるだけでいいよ」 それは、とても優しい声で言った。 ………まるで本当の天使のように……… ………うん? 本当の天使なんだったっけか? しかし、これは完全にメリヤースの罠だったのだ!! それとも知らずに、目をつぶってしまった俺。 「こ、これでいいのか?」 俺は、さっきまでとは違い、まるで静かに波の音を聞くように、穏やかな様子でメリヤースの言葉を聞き入れた。 おー流石天使!! 人を騙すのもお手の物!! ………ってオイ!!、天使がそれでいいのか? いいわけないよな? 「うん、オッケー!! それじゃあ、最後のお願い!!両手をそのまま前にだして!!」 またもや優しいトローリとした甘~い言葉。チョコと生クリームとあんこ、その他甘い物をふんだんに使ったお菓子のように。 佐藤付子さんとか綿雨林檎さんではないけど……… 俺は、言われた通りに両手を差し出した。 すると………!! 「君は引っ掛かったんだよ!! 今から君と僕の同化が始まるよ。 悪く思わないでね~」 さっきまでの口調はおさらば。 まるで天使から悪魔にでも変身するように、再び陽気な声に戻しながらそう告げられると、俺の手に触れた。 「だ、騙したな!?………うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!…………………………」
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